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鈴井貴之監督インタビュー 前編・その2

その1から続く】

■撮るならやっぱり冬の北海道。寒いから撮りたくないけどね


Q.「ロケハン。」は、前回は夏の北海道。今回は冬の北海道でしたが、鈴井さん個人として、また監督として、どちらの季節が好きですか。

鈴井監督 やっぱり冬の北海道が一番好きですね…映画で撮るなら。韓国に映画留学していたときに言われて感じたのは、アジアの中で大都会が真っ白い雪に埋もれるのは(特殊な事情のある国を除けば)札幌ぐらいしかない。韓国・香港・台湾といったマーケットを考えると、白い雪に覆われた札幌というのはすごく魅力的な街です。韓国人に言わせると「北海道はヨーロッパの香りがする」そうで、そのため北海道への憧れを持って観光旅行をする韓国人が多いそうです。

 あと、雪が積もった北海道の夜は特に好きです。夜が明るいんですよ。月明かりや街灯に照らされた光が雪に反射して、すごく明るい夜になるんですよね。これは本当に絵になると思いますね。

 街灯も何も無いところでも、満月の夜なんかはすごく明るくて、北海道に住んでいる人間であっても「不思議だなぁ」と感じます。「銀のエンゼル」でも、実際にそういう風景を撮ったんですが、スクリーンで見ると綺麗でしたね。


カメラに積もる雪 でも撮るのは嫌ですねぇ(笑)。撮る時は本当~に大変でしたよ。個人的には、夏の北海道の方が断然好きですよ。

 皆さん誤解されていますけれど、北海道の人間ほど寒さに弱い人はいません(笑)。寒さに強いを思われてますが、全然ダメですよ。「銀のエンゼル」を撮影しているときも、東京から来たスタッフは文句もいわずに寒さを我慢していたけれど、僕とかは我慢できませんでしたから。「もう限界だよ」「マイナス15度なんてありえない」って僕が言いますから。

 僕の頭の中には「この絵を撮るんだ」という監督と、「寒いから撮りたくない」という個人がいて、常に葛藤していましたよ。

Q.「ロケハン。」をみて、実際に北海道を訪れたいと思った視聴者の方に、旅のアドバイスやおすすめの場所を教えてください。
雪の中の鈴井監督
 特に「ここを観て」という場所というのは無くて、ご自身が映画本編を観て「ここに行ってみたいな」と思った場所というのが、その人にとって一番良い場所なのではないかと思います。なので、この「ロケハン。」という番組の中から、それを見つけて下さい。紹介した作品(または紹介しなかった作品も含め)が気になったら、映画本編を観ていただいて、そして実際にロケ場所に足を運んでいただければと思います。


■「埋もれた名作」をカタログのように紹介していきたい


Q.「ロケハン。」が季節シリーズ化することになりましたが、今後どんな方向に番組を広げていきたいとお考えですか。
 実はシリーズ化することになった今、慌てていることがあります。それは、意外に北海道が舞台のヒット映画が少なかったということですね(笑)。
 紹介する作品を選定するときになって「あれっ?」という感じになったんですよね。
 ですので、そこはちょっと方向転換をして、(ヒット作のロケ地を探すのではなくて)埋もれた名作を紹介していく感じにしようと。あまり知られてい単館映画作品は、良い作品でもDVD化されてお終いみたいになってしまうことが多いじゃないですか。それがこういう番組でもう一度スポットライトを当ててあげることができるのであれば、素敵なことだと思います。そのために「北海道で撮影された埋もれた名作」を「ロケハン。」で取り上げていければ良いなと思います。
 いや、もちろん北海道に限らず海外の作品でも全然オッケーですよ(笑)。実際、1回目のときに冗談交じりで、「次はローマに行って、ベスパで旅をするのもありだよな」という話もしましたし、僕と誰かが「タロー」と「ジロー」になって、南極に置き去りにされるとか、そういうストーリーでもかまわないかな(笑)

Q.基本は「埋もれた名作の発掘」でも、やれるんなら何でもということですね。
 多くの作品を紹介したいんですよ。チャンネルNECOの番組編成もそうだと思うんですけれど、「これ良いよね」っていう作品を紹介しても、合わない人には絶対合わないじゃないですか。人の好みって言うのは「バキッ」と分かれちゃうし。ヒットしたから100%良い映画か?っていうと、そうとも限らないじゃないですか。ですから、数多く紹介して、北海道で撮影された「映画カタログ」みたいなものに最終的になればいいなと思っています。


Q.では最後に視聴者の方にメッセージを。
旅が始まる
 僕がやる番組ですから。がんじがらめの番組ではなくてちょっと隙間のあるタッチで作っています。この番組を見て今まで出会えなかった過去の作品と改めて出会ってもらって、(映画本編を)見返して欲しいなと思います。
 良い映画なのに、なかなか皆さんに届かないまま終わっちゃう映画が多いじゃないですか。ぶっちゃけて言えば資本と宣伝力で決まっちゃうわけで。
 資本や宣伝力が少ないために隅々まで行き渡らずに埋もれてしまった作品の中にも素晴らしい作品があると思います。製作者が色々な努力の末の作り上げたものを少しでも多く皆さんに届けたい。
 この「ロケハン。」が将来、カタログ的な番組となって、この中から皆さんが素敵な1本と出会えたら嬉しいと思います。
 一番最初に僕が「man-hole」を撮ったときにエンディングに「カーネーション」(*2)というバンドの「Garden City Life」という曲を使いました。これも何年も前の曲で、たまたま僕が良く聴いて好きだったから採用したのですが、そのお話を「カーネーション」のリーダーの方にしたとき「この曲は過去のものだから、もう日の目を見ないと思っていました。だけど、映画の主題歌に使ってもらえることでこの曲にもう一度命が宿る。凄く嬉しい」とおっしゃっていただけました。
 同じように、この「ロケハン。」でもう一度、映画に命を授けることができるのであれば、やりがいがあるものになります。そういった番組にしていきたいと思いますので、皆様、是非とも宜しくお願い致します。

*2:直枝政広をリーダーとするバンド。1984年に「夜の煙突」でレコードデビュー。(http://www.carnation-web.com/)

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どんな番組?

  •  北海道を中心に活動するタレントプロダクションの社長で、映画監督でもある鈴井貴之氏が自らが、あの超有名ローカルバラエティ番組よりも、こだわりの予算(笑)で挑むオリジナル特番『鈴井貴之のロケハン。』  「夏編」は10月~11月オンエア!

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